2013/06/24 15:10
トロントを拠点に活動する“次世代のポップアイコン”として、日本ではラジオを中心に話題となり、今年日本デビューを果たしたメイリー・トッドが6月22日、六本木・ビルボードライブ東京で来日公演を行った。
全国のラジオ局でパワープレイを獲得した話題のアーティストとあって会場は満員となり、新たなポップアイコンの登場を待ちわびる。その奇抜なビジュアルも注目されていた彼女は人魚を思わせるようなドレスを纏い、バンドメンバーと共にステージに登場。
幕開けは小型のハープを背負ってサラリとスタート。子守唄を聴かせるような優しい歌声に観客は耳を澄ませる。そのままミディアムなナンバーをソウルフルに歌い、徐々にテンションのスピードを上げる。時折見せる笑顔とコミカルな動きが見るものをどんどん虜にしていく。そして、彼女の日本での知名度を一気に挙げた「ベイビーズ・ガット・イット」でのハイブリット・ビンテージなファンキー・サウンドに会場はディスコ感を増す。
ジュディ・オングの「魅せられて」の衣装を思わせるマントで羽を広げるように踊ったかと思えば、ステージを降りて客席に座って歌ったり、テーブルに上がったりと天真爛漫なステージングは好き放題やっているように見えるが、決して嫌味にはならない。彼女の持つ魅力を最大限に引き出したパフォーマンスの上手さだろう。
曲を重ねるごとにフロアを自身のステージへと変貌させ、オーディエンスをバンド・メンバーの一員として吸収していく。会場に集まったオーディエンスも彼女のステージを生で体感するのは初めてのはずだが、その楽しみ方を熟知しているかのように音に身体を委ねていく。
ラストはオールスタンディングになったフロアの真ん中で踊り歌ってステージは終了した。単なるライブを観るのではなく、自らが音楽の一部として歯車となり、潤滑油となり、一つのものを造り出すような刺激的体感を受けた素晴らしい一夜となった。
Photo:Masanori Naruse
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